2025年10月1日より、ふるさと納税サイトで提供されてきたポイント還元が全面的に禁止されます。これにより、ふるさと納税の「お得度」が変わると感じ、9月末までに寄付を済ませようとする動きが加速しています。本記事では、なぜポイント還元がなくなるのか、変更点の詳細、そして今後注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
ふるさと納税とは?ポイント還元がお得だった理由
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付をすることで、その金額に応じて返礼品を受け取れる制度です。実質的な自己負担は2,000円で、残りの金額は税金から控除されるため、多くの人に利用されています。
これまでのふるさと納税の大きな魅力は、以下の3点でした。
- 実質自己負担2,000円で寄付ができる
- 寄付額の約30%相当の返礼品がもらえる(例:1万円の寄付で約3,000円相当の返礼品)
- 利用するふるさと納税サイトを通じて寄付すると、サイト独自のポイント還元ももらえる(例:楽天ふるさと納税なら寄付金額の10%が楽天ポイントとして付与)
特に、この「ポイント還元」があったことで、**「実質自己負担2,000円+返礼品+ポイント還元」の“3重取り”**が可能となり、ふるさと納税の利用者を大きく増やしてきました。
なぜポイント還元は禁止されるのか?背景と理由
ポイント還元が禁止される主な理由は、**「自治体がふるさと納税サイトに支払う仲介手数料が高額になりすぎている」**ことにあります。
現在、ふるさと納税の年間寄付額は1兆円規模に達しており、そのうち約半分(約5,000億円)が返礼品の調達費やふるさと納税サイトへの手数料に充てられています。この手数料の一部が、ふるさと納税サイトのポイント還元の原資となっており、**「国民の税金が本来の目的から外れて手数料やポイントに使われている」**と問題視されてきました。
さらに、ポイント還元を使ったサイト間の利用者獲得競争が、ふるさと納税本来の目的である「自治体を応援する」という趣旨から逸脱しているとの判断も背景にあります。これらの状況を受け、2025年10月からはポイント還元が全面禁止されることになりました。今回の変更は、一部で**「ふるさと納税の改悪」**と受け止められていますが、制度本来の健全化を目的としたものです。
2025年10月以降、ふるさと納税はどう変わる?
項目 | 変更前(2025年9月末まで) | 変更後(2025年10月以降) |
返礼品 | あり(寄付額の約3割相当) | あり(寄付額の約3割相当) |
ふるさと納税サイトのポイント還元 | あり(楽天ポイント、Pontaポイントなど) | 一切なし |
お得度 | 返礼品+ポイント還元で“3重取り”が可能 | 返礼品のみ |
実質的な自己負担 | 実質2,000円 | 実質2,000円 |
上記のように、2025年10月以降は「ポイント還元」による上乗せのメリットがなくなります。返礼品はこれまで通り受け取れますが、サイト独自のポイントは付与されなくなりますのでご注意ください。
9月末までにやっておくべきこと:駆け込み寄付のポイント
ポイント還元があるうちにふるさと納税を済ませておくのが、最もお得な利用方法です。
- ポイント還元キャンペーンの活用: 現在、各ふるさと納税サイトでは、ポイント還元率アップなどのキャンペーンを強化しています。楽天ふるさと納税のポイント終了が話題になる中、各サイトで最後の還元策が実施される可能性もあります。
- 9月末までの寄付完了: 2025年9月末までに寄付を完了させれば、ポイントを獲得できます。
- クレジットカードポイントは継続: ふるさと納税サイトのポイントとは異なり、クレジットカード自体のポイントは引き続き付与されます。
- 人気返礼品は早めに: 人気の返礼品は、駆け込み需要により品切れや配送遅延のリスクが高まります。早めの申し込みを検討しましょう。
注意点:ポイントに固執しすぎない賢い活用法
ポイント還元は魅力的ですが、制度は今後も変更される可能性があります。筆者(ファイナンシャルプランナー・ふるさと納税アドバイザー監修)としては、ポイント還元だけに固執しすぎず、以下の点を考慮した**「バランスの取れた活用」**をおすすめします。
- 返礼品の質や寄付の目的を重視する。
- ポイントはあくまで付加価値として捉え、無理のない範囲で利用する。
- 制度の持続性を考え、柔軟に対応する姿勢が重要です。
また、ふるさと納税の基本となる「控除額上限」の確認や、「ワンストップ特例制度」の利用条件についても、この機会に改めて確認しておきましょう。これらの制度については、ふるさと納税で知っておくべきこと一覧|賢く活用するための完全ガイドで詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
まとめ
- ふるさと納税のポイント還元は2025年9月末で完全に終了します。
- 2025年10月以降は返礼品のみの還元に戻ります。
- お得に利用したい方は、今すぐ駆け込み寄付を検討しましょう。
- ポイントに偏りすぎず、返礼品や寄付の目的を考慮した利用が賢明です。
- クレジットカードポイントなどは引き続き獲得できるため、有効活用しましょう。
2025年9月末までにふるさと納税を済ませて、今年の「お得」を確実に手に入れましょう!
参考・引用元:
- 「ふるさと納税『駆け込み予定』7割超 10月のポイント還元禁止控え」 – 日本経済新聞
- ふるさと納税ガイド
- 「ふるさと納税、なぜポイント禁止? 楽天グループは『無効』と国提訴」 – 日本経済新聞
この記事が、あなたのふるさと納税活用の一助となれば幸いです。今年のふるさと納税は、9月末までに賢く利用して、お得なポイント還元を取り逃がさないようにしてくださいね!
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