「健康保険って、病院にかかったら医療費が3割負担になるんでしょ?」
もちろん、その認識で間違いありません!でも実は、健康保険には、医療費をさらに節約したり、いざという時の家計を助けてくれたりする、**「知られざるお得な使い方」**がたくさんあるんです。
今回は、健康保険の基本的な使い方から、意外と知られていないけれど役立つ活用術まで、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。「そんな制度があったんだ!」と驚くこと間違いなしの、医療費節約のヒントが満載です。
1. 基本中の基本!病院にかかったら保険証を出す
これは皆さんがご存じの通り、病院やクリニック、薬局にかかる際に必要不可欠なことです。
- 何をするの?: 受付で健康保険証を提示します。
- なぜ必要なの?: これを提示することで、医療費の自己負担が通常3割(年齢や所得によって異なる)になります。提示しないと、一時的に全額負担になってしまうので注意しましょう。
2. 高額療養費制度:医療費がめちゃくちゃ高くなっても安心!
これが、健康保険の最もパワフルな機能の一つかもしれません。ひと月の医療費が高額になった時、自己負担を一定額に抑えてくれる制度です。
- どんな時に使うの?: 大きな手術や入院、長期の治療などで、ひと月の医療費が数十万円以上になった場合。
- どうなるの?: 医療費の自己負担が、所得に応じた上限額を超えると、その超えた分が健康保険から払い戻されます。例えば、一般的な所得の人の場合、自己負担額が約9万円を超えると、超えた分が戻ってきます。
- ここがポイント!: 事前に手続きをしておけば、窓口での支払いを上限額までに抑える**「限度額適用認定証」**というものもあります。これを使えば、一時的に高額な医療費を立て替える必要がなくなります。大きな手術や入院の予定がある場合は、事前に加入している健康保険組合や協会けんぽに問い合わせてみましょう。
3. 傷病手当金:病気やケガで働けなくなっても収入がある!
会社員が加入する健康保険(社会保険)ならではの、心強い制度です。
- どんな時に使うの?: 病気やケガで仕事を休まざるを得なくなり、会社から給料がもらえない場合。
- どうなるの?: 連続して3日以上仕事を休み、4日目以降、休んだ期間に対して給与の約2/3が支給されます。最大で1年6ヶ月間受け取ることができます。
- ここがポイント!: 国民健康保険にはこの制度が原則ありません。会社員の方は、万が一の時にこの制度があることを覚えておきましょう。申請には医師の証明や会社の協力が必要です。
4. 出産手当金・出産育児一時金:出産をしっかりサポート!
出産は喜ばしいことですが、何かとお金がかかるもの。健康保険はここでも頼りになります。
- 出産手当金(会社員向け)
- どんな時に使うの?: 出産のために会社を休み、給料がもらえない場合。
- どうなるの?: 出産前42日間(多胎妊娠は98日)、出産後56日間の期間に対して、給与の約2/3が支給されます。
- 出産育児一時金(全ての健康保険加入者向け)
- どんな時に使うの?: 出産した時。
- どうなるの?: 子ども一人につき50万円(令和5年4月より増額)が支給されます。多くの場合、医療機関が健康保険に直接請求してくれる**「直接支払制度」**を利用できるため、窓口での支払いを抑えられます。
ポイント: 出産手当金は会社員の特権ですが、出産育児一時金は国民健康保険の人も受け取れます。
5. 移送費:緊急時の移動費用もカバー!
緊急で病院に運ばれたり、転院したりする場合の交通費も、条件を満たせば健康保険から支給されることがあります。
- どんな時に使うの?: 病気やケガで緊急に医療機関へ移送された場合や、医師の指示で転院が必要になった場合など。
- どうなるの?: 移送にかかった費用が、健康保険から払い戻されます。
- ここがポイント!: 事前に承認を得ることが原則ですが、緊急時は事後申請も可能です。タクシー代など何でも対象になるわけではないので、詳細は加入している健康保険に確認しましょう。
6. その他の給付金:埋葬費や療養費も
他にも、あまり知られていない給付金があります。
- 埋葬料(埋葬費): 被保険者(健康保険加入者)が亡くなった場合、埋葬を行った人に支給されます。国民健康保険の場合は「葬祭費」という名称で支給されます。
- 療養費: 旅行先での急病など、やむを得ず全額自己負担で医療を受けた場合や、医師の指示で医療装具を購入した場合などに、後から申請することで保険適用分が払い戻される制度です。
まとめ:健康保険はあなたの強い味方!
健康保険は、ただ病院で安く治療を受けられるだけでなく、病気やケガで働けない時の収入保障、出産時の経済的支援、予期せぬ高額な医療費の負担軽減など、私たちの生活を多方面から支えてくれる頼もしい存在です。
これらの制度を知っているのと知らないのとでは、いざという時の安心感や家計への影響が大きく変わってきます。ぜひ、今回の記事でご紹介した健康保険の様々な使い方を覚えて、あなたの生活を守るために役立ててくださいね。
もし分からないことがあれば、ご自身が加入している健康保険組合や協会けんぽ(会社員の方)、またはお住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口(個人事業主の方など)に気軽に問い合わせてみましょう。
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