社会保険料の内訳とさらに細かい内訳
社会保険料の5つの内訳
保険の種類 | 主な目的・内容 | 対象者・備考 |
---|---|---|
健康保険料 | 病気・ケガ・出産時の医療費補償 | 会社員・公務員とその扶養家族 |
厚生年金保険料 | 老後・障害・死亡時の年金給付 | 会社員・公務員本人 |
介護保険料 | 介護サービス利用時の費用補償 | 40歳以上65歳未満の健康保険加入者 |
雇用保険料 | 失業・育児休業等の生活安定補償 | 一定条件を満たす従業員 |
労災保険料 | 業務上・通勤中の災害や病気の補償 | 全従業員(保険料は会社が全額負担) |
各保険料のさらに細かい内訳
1. 健康保険料の内訳
- 基本保険料:医療給付や出産手当金などの財源
- 特定保険料:高齢者医療制度への支援金
- 調整保険料:健康保険組合間の財政調整のための費用
- ※健康保険料は「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と「健康保険組合」で料率や内訳が異なります。
2. 厚生年金保険料の内訳
- 老齢年金保険料:老後の年金給付
- 障害年金保険料:障害時の年金給付
- 遺族年金保険料:死亡時の遺族への年金給付
- ※厚生年金保険料は標準報酬月額・標準賞与額に一律18.3%(2025年時点)を掛けて算出し、会社と従業員で折半します。
3. 介護保険料の内訳
- 第2号被保険者分:40歳以上65歳未満の健康保険加入者が対象
- ※介護保険料は健康保険料に上乗せされて徴収されます。
4. 雇用保険料の内訳
- 失業等給付分:失業時の給付
- 育児・介護休業給付分:育児・介護休業時の給付
- 雇用安定事業・能力開発事業分:雇用安定や職業訓練のための費用
- ※会社と従業員で負担割合が異なります。
5. 労災保険料の内訳
- 業務災害分:業務中の事故・病気の補償
- 通勤災害分:通勤中の事故・病気の補償
- ※全額を会社が負担します。
参考:国民健康保険料の内訳(自営業・フリーランス等)
ポイント
厚生年金と国民年金のちがいは?
厚生年金と国民年金の違い
項目 | 厚生年金 | 国民年金 |
---|---|---|
対象者 | 会社員・公務員など(第2号被保険者) | 自営業・学生・無職など(第1号被保険者)、 厚生年金加入者の扶養配偶者(第3号被保険者) |
加入義務 | 会社や公務員として働く人が強制加入 | 20歳以上60歳未満のすべての人が強制加入 |
保険料 | 収入に応じて決定(給与・賞与の一定割合) 会社と本人で折半 | 一律(2025年度は月額17,510円) 全額自己負担 |
納付方法 | 給与・賞与から天引き、会社がまとめて納付 | 自分で納付(口座振替・現金・キャッシュレス等) |
受給できる年金 | 基礎年金(国民年金)+報酬比例の厚生年金 | 基礎年金(老齢基礎年金)のみ |
年金額 | 収入と加入期間に応じて変動 | 加入期間に応じて一律 |
支給開始年齢 | 原則65歳(生年月日による例外あり) | 原則65歳 |
保険料負担 | 会社と本人で半分ずつ | 本人が全額負担 |
ポイント解説
- 制度の構造
日本の公的年金は「2階建て」構造です。
1階部分が国民年金(基礎年金)、2階部分が厚生年金です。 - 厚生年金
会社員や公務員が加入し、保険料は収入に応じて決まります。会社と本人が半分ずつ負担し、将来は国民年金と厚生年金の両方を受け取れます。 - 国民年金
自営業や学生、無職の人などが加入し、保険料は一律です。将来は基礎年金のみ受け取れます。 - 受給額の違い
厚生年金の方が受給額が多く、月額で国民年金の倍以上になることもあります。 - 納付方法の違い
厚生年金は給与天引き、国民年金は自分で納付します。
まとめ
- 厚生年金は会社員・公務員向けで、保険料・年金額ともに収入比例、会社と本人で負担。
- 国民年金はすべての人が対象で、保険料・年金額ともに一律、全額自己負担。
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